日本の国民皆保険制度において、高額な治療を長期にわたって続ける必要がある患者を経済的困窮から救う重要なセーフティネットが「特定疾病(高額長期疾病)に対する高額療養費の特例(以下、特定疾病制度)」です。 本制度は、人工透析を必要とする慢性腎不全、血友病、HIV感染症の患者を対象とし、1ヶ月の医療費の自己負担上限額を原則1万円(一部の上位所得者は2万円)に抑える特例措置です。 しかし、1984年の制度導入から40年が経過し、特定疾病制度は深刻な構造的課題に直面しています。本記事では、特定疾病制度の歴史的背景、 ...