NISAの金融機関を替えようと思ったとき、「9月30日まで」という日付だけを見て急ぐと、今年の口座を替える話と、来年分を替える話が混ざります。特に、今年すでにNISAで商品を受け入れたかどうかで、同じ年の変更ができるかは分かれます。
金融庁は、変更先の金融機関にNISA口座を設けたい年の前年10月1日からその年9月30日までに書類を提出する必要があると案内しています。2027年分から変更したい場合、2026年9月30日はその期間の終わりです。ここでは特定の金融機関を選ぶ話ではなく、年・買付・二つの投資枠を切り分けます。
先に分ける論点
9月30日は「変更先でNISAを使いたい年」に結び付く期限です。2027年分を替えたい人は、今年のNISAで既に上場株式等を受け入れたか、つみたて投資枠と成長投資枠を一つの金融機関で使う前提かを分けて考えます。
📊 制度・手続き・変更点の比較要約表
| 対象区分 | 主な変更点・新ルール | 利用者・影響を受けるポイント |
|---|---|---|
| 従来型ルール | 既存の手続き・仕様 | 移行期までの経過措置が適用。 |
| 新運用ルール | オンライン・最適化対応 | 事前手続の簡易化と締め切り厳守が必須。 |
9月30日は、2027年分を替えたい人の境目になる

金融庁のFAQでは、金融機関を変更する場合、変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、交付された「勘定廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を変更先へ提出する流れが示されています。提出時期は、変更先に口座を設けたい年の前年10月1日から、その年の9月30日までです。
つまり、2027年に変更先のNISA口座を使いたい人にとっては、2026年9月30日が制度上の節目です。一方で、2028年分を考える人は、2027年10月1日以降が期間の始まりになります。日付だけをメモするより、何年分を替えたいのかを先に書くほうが、急ぐ理由を読み違えません。
「年内に変更」と「今年の受入れ」は別の条件
金融庁は、変更届出書を出す日より前に、変更前の金融機関のNISA口座で既に上場株式等を受け入れている場合、その年分の金融機関変更はできないと案内しています。これは、2027年にどうするかを考えるときにも、2026年に何を受け入れたかという履歴を一度確認する理由になります。
変更を考え始めた日と、制度上の年はそろわない
アプリの使いやすさや取扱商品を見て「今すぐ替えたい」と感じても、NISAの変更は年単位の手続きです。今持っている商品を売るかどうか、通常の口座をどうするかは、金融機関変更そのものとは別に検討する項目です。既保有商品の扱いは、変更元・変更先の案内で個別に確認します。
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| 変更したい年 | 今年のNISAで上場株式等を受け入れたか | まず読む条件 | この表だけで決めないこと |
|---|---|---|---|
| 2027年 | 受け入れ済みでも、2027年分の変更を考える | 2026年9月30日までの提出期間 | 既保有商品の移し方・売却 |
| 2026年 | 受け入れ済み | 2026年分の金融機関変更はできないという条件 | 翌年分の変更可否 |
| 2026年 | まだ受け入れていない | 提出時期と各金融機関の手続き案内 | 個別書類の到着・受付日 |
| 2028年 | 2026年時点で検討中 | 2027年10月1日以降に始まる期間 | 商品選びの優劣 |
今年すでに買った人と、買っていない人では急ぐ理由が違う

変更の可否を判断するとき、取引回数や残高の大きさより先に見るのは、当年にNISA口座で上場株式等を受け入れたかです。買付が少額でも、この条件に当てはまるかは制度上の分岐になります。
ケース1:2027年から替えたい人
2027年分の変更なら、2026年9月30日までの提出期間を意識します。必要書類の取り寄せに日数がかかる場合もあるため、変更元と変更先の案内を同時に開き、書類名・提出方法・受付予定を照合します。ここで比較するのは、手数料の印象ではなく、まず手続きの流れです。
ケース2:2026年中に替えたい人
2026年分の変更を考えていて、既に変更前のNISA口座で上場株式等を受け入れているなら、その年分は変更できないと金融庁は案内しています。ここで慌てて売却や積立停止をしても、口座変更の条件そのものとは別問題です。翌年分として何をするかを切り直し、個別の操作は金融機関へ確認します。
注意点
NISAの金融機関変更は、保有商品の売却や移管を意味する言葉ではありません。既に持つ商品の扱い、積立設定の停止・再設定、書類の受付は金融機関ごとに案内が異なるため、制度の期限と同じ一手順にしないでください。
つみたて投資枠と成長投資枠は、二つの口座に分けられない

金融庁FAQでは、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできず、一つの金融機関で利用すると示されています。変更を考えるときは、「積立だけ別の会社にする」というイメージを先に置かず、二つの枠を同じ年の一つのNISA口座でどう使うかを考えます。
商品一覧の更新と、口座変更を混同しない
金融庁のつみたて投資枠対象商品一覧は2026年8月31日に更新されています。ただし、対象商品一覧が更新されたことと、誰もが金融機関を変更すべきだということは別です。まず現在と変更先で使いたい投資枠、必要な商品が扱われているか、積立設定をどうするかを順に確認します。
申し込み前に、三つのメモを残す
手続きの失敗は、期限を一行だけ残し、年と買付履歴を書かないときに起こりやすくなります。申し込み前に、次の三つをメモします。
1. 変更先で使いたい年:2027年分か、その次の年か 2. 今年の受入れ有無:変更前のNISAで上場株式等を既に受け入れたか 3. 二つの枠の使い方:つみたて投資枠と成長投資枠を一つの金融機関でどう使うか
この三つがそろってから、変更元の届出書と変更先の開設届出書の案内を読みます。9月30日を「乗換えのおすすめ期限」にしないことが大切です。自分の年次条件に当てはまるかを分けてから、公式の手順へ進んでください。
本稿は特定の金融機関や金融商品の利用を勧めるものではありません。手続き・保有商品の扱いは、金融機関と公的機関の最新案内で確認してください。
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出典・参考
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト:よくある質問」
- 国税庁「NISA口座の新規開設又は変更に関する手続等について」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」
- 日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」
💡 手続き・利用前に必ず確認すべき3つの行動指針
- 公式発表されている最新の実施スケジュールと締め切り時刻を確認する
- 本人確認書類や事前アカウント連携などの準備物を手元に揃える
- 混雑が予想される最終日を避け、余裕をもった早期手続きを心掛ける
