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個人向け国債7月募集は固定5年が高い。変動10年1.80%との差をどう読むか

個人向け国債の変動10年、固定5年、固定3年を比較する投資調査デスクのイメージ

「変動10年」という名前だけを見ると、金利が動く分だけ有利に見えます。ところが2026年7月募集の個人向け国債では、表示利率は固定5年が年1.95%、変動10年が年1.80%、固定3年が年1.56%です。

この差は、単に「高い利率を選べばよい」という話ではありません。変動10年は半年ごとに利率が見直され、固定5年は発行時の利率が満期まで続きます。手元資金をいつ使うのか、金利が動いたときにどう受け止めるのかで、同じ1万円でも意味が変わります。

先に分ける論点
今回の表示利率だけなら固定5年が目立ちます。ただし、選び方は「利率の高さ」「何年使わない資金か」「途中換金を許容できるか」の3つに分けて考える必要があります。

なぜ固定5年の方が高く見えるのか

個人向け国債の3商品を横並びで比較するノートと電卓のイメージ

2026年7月募集の3商品を並べると、最初に目立つのは固定5年の年1.95%です。変動10年の初回利率は年1.80%なので、今回の募集だけを見ると、固定5年のほうが高く見えます。

ただし、固定と変動は同じ物差しで比べきれません。固定5年は、5年間の利率が発行時点で決まります。変動10年は、半年ごとに利率が見直されます。将来の金利が上昇すれば次回以降の利率も高くなる可能性があり、低下すれば低くなる可能性もあります。

つまり、今回の数字で分かるのは「発行時点の表示利率」です。10年間の受取総額や、5年後までの実質的な使いやすさまでは、この1行だけでは決まりません。

変動10年・固定5年・固定3年を横に並べる

1万円あたりの個人向け国債利子を概算する電卓とメモのイメージ

7月募集の個人向け国債は、利率だけでなく満期と利率タイプを横に並べると違いが見えます。

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商品2026年7月募集の利率満期利率タイプ向きやすい資金の置き方
変動10年年1.80%10年半年ごとに見直し金利が動く余地を残したい中長期資金
固定5年年1.95%5年発行時利率で固定5年程度は使う予定が薄い資金
固定3年年1.56%3年発行時利率で固定使う時期が比較的近い安全資金

表で見ると、固定5年の年1.95%は確かに高く見えます。一方で、変動10年は10年満期であり、将来の見直しを含めて考える商品です。固定3年は利率が低い代わりに、資金拘束の心理的な長さは短くなります。

迷いやすいのは、満期と利率を混ぜてしまうことです。利率だけを上から順に並べると固定5年が目立ちますが、「その資金を何年使わないのか」という問いを入れると、順位は人によって変わります。

注意点
固定5年の利率が高く見えても、短期で使う可能性がある資金なら満期の長さと中途換金条件が先です。利率表の上位だけで決めると、資金を使う時期とのズレが出やすくなります。

1万円で半年の税引前利子をざっくり比べる

個人向け国債の満期と中途換金をカレンダーで考えるイメージ

個人向け国債は1万円から購入できます。年率だけでは差がつかみにくいので、1万円あたりの半年分の税引前利子を単純計算してみます。

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商品年率1万円あたり年間の税引前利子半年分の目安
変動10年1.80%180円90円
固定5年1.95%195円97.5円
固定3年1.56%156円78円

これは日割りや税金を省いた概算です。実際の初回利子は発行日、利払日、税金で変わります。それでも、1万円単位に直すと、固定5年と変動10年の半年差は約7.5円です。

差が小さいと感じる人もいれば、100万円なら半年で約750円の差と見る人もいます。大事なのは、年率の見た目だけでなく、自分の投資額と保有期間に直して考えることです。

ケース別に分かれる読み方

使う時期が決まっている生活防衛資金なら、満期まで待てるかが最初の分岐になります。3年以内に使う予定があるお金なら、5年や10年の商品を選ぶ前に、中途換金時の扱いを読む必要があります。

5年程度は置いておける資金なら、固定5年の年1.95%は候補に入りやすくなります。利率が満期まで固定されるため、将来の利下げ局面が気になる人には分かりやすい商品性です。一方で、今後さらに金利が上昇すると考える人にとっては、固定されること自体が機会損失に見える場合があります。

10年単位で安全資産を置く余地があり、金利見直しを受け入れたいなら、変動10年の特徴が生きます。初回利率だけでは固定5年より低いですが、半年ごとの見直しがあるため、将来の金利環境を受け止める余地があります。

短めに置きたい資金なら、固定3年も比較から外しにくい商品です。利率は3商品の中で低いものの、資金を長く縛りたくない人には、満期の短さが意味を持ちます。

途中換金で誤解しやすいところ

個人向け国債は原則として発行から1年経過後に中途換金できます。ただし、直前2回分の各利子相当額に一定係数をかけた中途換金調整額が差し引かれます。

ここで誤解しやすいのは、「国債だからいつでも同じ条件で現金化できる」と考えることです。元本割れしにくい設計でも、途中で現金化すると直近の利子相当分が調整されます。短期で使う可能性のある資金なら、最初から満期の長い商品に寄せすぎないほうが読みやすくなります。

もうひとつの誤解は、変動10年を「10年間持たないと使えない」と見てしまうことです。中途換金の仕組みはあります。ただし、1年未満では原則換金できず、1年後以降も調整額があるため、普通預金や短期定期と同じ流動性ではありません。

7月募集で固定5年が高く見えることは、入口として分かりやすい材料です。けれど、最終的には「何年使わない資金か」「金利が動く可能性を受け入れるか」「途中換金の調整額を許容できるか」の3つに分けると、利率の高さに引っ張られすぎずに読めます。

本記事は公開資料をもとにした情報整理であり、購入や売却を勧めるものではありません。実際の条件は、財務省と取扱金融機関の案内で照合してください。

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出典・参考リンク

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